今昔蹴球物語

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Aさんは昭和25年度(1950年)の全国高校サッカー選手権へ出場して、

ストライカーとして大活躍をし、見事3位(ベスト4)へ導かれた熱き男で、

この遺伝子は脈々とお孫さんにあたるB君へしっかりと受け継がれています。

先日、B君が所属するクラブチームが全国大会へ出場したため、

Aさんは喜んで試合会場まで駆けつけましたが、観戦後は何とも浮かぬ顔。

「試合に勝てなかったからですか?」と聞いてみると、

A「いやあ、ゲームの勝ち負けよりも今のサッカーが見られると思って楽しみにしていたけど、

ボールがあちらこちらに移動するたびに両チームの選手がだんご(組織的)になって

動いているのは、まるでワシらの(昔の)小学生のサッカーようにも感じられたけど、

孫に言わせたらあれでええそうなんじゃのう。

まあ、それよりもペナルティーエリアに人をたくさん集めて、

ゴール前を堅めた守備(ブロック形成)には驚いた。

孫に言わしたらあれは負けないサッカーをするための戦術と言っていたけど、

若いのだからもっと積極的な攻撃サッカーをして欲しかったのう」

と、本質を的確に見られての感想には恐れ入ります。

たしかにゾーンで組織的に守るサッカーはボールを追いかける小学生のサッカーに見えるし、

守って相手の長所を消すサッカーには若さが足らないから仕方がないですね。

それにしてもサッカーは時代ともに進化したつもりが、やはり人がやることなので、

結局は一周まわってきて、原点に戻ってきたような気になりました。