この春でギャラリーが誕生してから40年。当時、中学2年生だった私も54歳になってしまった。時は決して立ち止まってくれない。いつもわき目もふらず早足に去っていく。しかしながら40年というのはかなりのボリュームだ。人生の悲喜こもごも味わい、ありとあらゆることを学ぶ。ただし、まだまだ数えたら切りがないほど未完全。もっと立派な人になる予定だったが、そうは問屋が卸さないもの。今の私の目標は昨日の自分よりよくなること。日々、それを目標に頑張っている。これまた高いハードルだけど、できたかどうかはやってみて、それから考えればいいこと。挑戦する意欲こそが大事だと思う。
ところで40年と言えば、作品展を開催している公文知洋子さんとのご縁も同じ年数だ。実は公文さんがギャラリーで初めて個展をした美術家の第1号。それ以来、家族ぐるみのお付き合いをしている。だから創作に対する熱い思いと行動は、ずっと間近で見続けている。トレンドのデザインや表現方法に流されず、自分にしかできないものを追い求め、ただひたすら創意工夫していった。30代後半からの本格的なスタート。才能は持って生まれたものというより、後天的なものを地道に伸ばして育んだ。公文さんには努力の天才という言葉がぴったりだと思う。その創作と向き合って生きた背中に嘘はない。これからもっと魅力ある新しい世界が生まれるはずだ。とにかく次の作品への意欲が素晴らしい。やっぱり好きこそものの上手なれ！このことわざを証明してくれる美術家だ。
