ロンド 繰り返し見る夢の続き

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昨日、ある展覧会で作品鑑賞をして、見事に酔わされてしまった。まずは一番最初の部屋は2つの不思議な動画とオルゴールの音が妖しく響く。萩市須佐ホルンフェルスの前で単調にクルクル回る女性と、布団の中にいた女性がいつの間にか海に顔を出して浮遊する幻想的な姿。現代社会では生き方まで管理されて、機械の歯車のようになりようがちだ。知らず知らずのうちに非人間的な行動パターンに陥りやすい。しかし、そんな状況になったとしても眠って見る夢は自由のまま。人の夢と書いて儚いと読めるように、生きることの儚さに気が付かされた。2番目の部屋は旧県議会議事堂。とても広い空間に3つほど張られたスクリーンに映像が流れていた。夜の遊園地のメリーゴーランド。音楽とともに楽しく回転している・・・とは言えない寂しさがあった。中央のスクリーンに映った街の夜景。闇は汚れているものを見えなくし、静寂はただ息を潜める人々を象徴したのかも。やっぱり政治を発信していた議事堂だから、こうような演出にしたのだろうか?

3番目の部屋はクラブでDJをするパフォーマンスの映像が流れていた。ドレスアップした女性が回転するレコードを舐めて、それでも客はノリのいいまま、というアンバランスさが印象に残った。昨今、ユーチューバーなんて映像表現が増えてきて、悪趣味という痛々しいものを目にすることもある。しかし、これは全くそうでなくて、格闘技のように戦う姿にハートが熱くなった。なんとなくプロレス!素直に凄げえってと思った。大ラス、4つ目の部屋。日常とのずれがわかりやすく描かれてあった。男女の共同作業によって食べるリンゴ。アダムとイブという意味なのかなあ?また、家から走り去ったいく花嫁。どこか後ろ姿にギザギザさを感じる。ユリを目の前にしている女性は、意味を求めるより意味を感じないようにした方が良いように思った。シュールという形容より、夢み心地と言うべきもの。起承転結の結にふさわしい。仕事の合間に観たため、短い時間だったが、ひさしぶりに酔わせてもらった。薬になるのか毒になるのかは人によって違うため、みんながみんなにはお勧めしませんが、ご興味のある方は、ぜひ芸術のアトラクションをお楽しみください!

■澤登恭子展 ロンド 繰り返し見る夢の続き 2018年11月9日(金)10:00-20:00 10日(土)10:00-19:00 入場料700円 会場 旧山口県県議会議事堂 山口市滝町1-1 議場(夢交流ホール)/議員控室(山口きらら倶楽部)/新聞記者室/給湯室 主催 澤登恭子「ロンド」実行委員会 共催 N3 ART Lab 後援 山口市 協賛 ディア、パックスレック、一花