戦友

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2001年からしばらくの間、毎年夏休みごとに、中学生対象のワークショップを企画する。これは熱心な先生の協力と明るくキャラクターの講師、そして、有難い助成金にもめぐまれて実現した。当時、私は未来への種まきについて、漠然とした思いに駆られていた。それはインターネットが急激に台頭し、一気にパソコンが普及し始めていたからだ。このままでは機械の面白さに負けてしまいそう。そこで本格的な素材と道具を使っての木版画教室を企画する。木版画は簡単そうで奥の深い世界。いくつかの手順を時間をかけてやるもの。辛抱強さを学ぶべることと、勘を働かせることが良いと考えたからだ。
しかし、今から思えばこんなことを真面目に信じる私は若かった。本当に単純なひらめきを実行して、何かが変えられると考えてしまったのだ。とはいうものの、この時の熱意があったからこそ、今日もギャラリーを続けていられる。おそらくこの時代に何もしなかったら、そのまま何もやらない体質になって、次第に情熱の炎が消えていただろう。やっぱり中学生たちと版画制作に燃えた、あの熱い夏の日は私にとっては大切な思い出だ。
そんな版画教室を縁の下の力になって活躍したひとりの大学生。彼の支えがなかったらと思うとゾッとするほど素晴らしかった。あれ以来、友人として付き合っている。ただし、彼が就職してからは住まいも遠くて電話やメールでの付き合い。なかなか会えずにいた。昨日、ひさしぶりに会って親交を深める。本当に積もりに積もった話しをして、あっという間に何時間も過ぎていった。ちなみにほどんどが今現在の話し。昔話に浸る暇がないだけ。そう、今も版画教室の熱が冷めていない。何かをやりたい思いが続くから、いろんな話しで盛り上がった。また会って続きを語り合いましょう!次も楽しみにしています。