芸術家に憧れて

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「いつも自分らしさを手探りしながら、いろんなことを試しているんだ。すると予想外の失敗に出くわしたり、とんでもない壁にぶつかって、最後はどうしようもないモノ(作品)になる。本当に自分には才能がないなんて、数えきれないほど思ったけど、それでもやめようなんて一度も考えたことはない。これ(画家)しかできないのだから、馬鹿みたいにこれをやるだけ。人前で恥をさらして生きているようなものだが、もしかしたらこれが王道なのかもしれないね(笑)」
この言葉は、2008年10月の第62回山口県美術展覧会の前年度大賞受賞者による新作展示の際に、吉村芳生さんが語ってくださった言葉だ。今思い出したら芸術に人生を捧げた潔さを感じさせられる。人は血を流すような努力を積み重ねて成長していくもの。色鉛筆によって花々を美しく表現するために、ただ粘り強く指先に集中するのではない。全身全霊、すべての能力を惜しみなく使って、ひとつの画面に最善を尽くして描いていたのだろう。昨夜、放映された美術教養番組「美の巨人」を見終わった後、いろいろなことが走馬灯の脳裏をめぐった。そして、吉村さんの言葉をいくつか思い出した。多くの苦難を乗り越えて、画家として評価される日がやってきた。きっと天国で微笑んでいるはずだ。いや、「これは始まりだよ」と照れながら言っているかもしれない。たしかにまったくそのとおり!これからも氏の野望がもっと開花することを楽しみにしています。芸術道を貫いた人生に乾杯!
■第72回山口県美術展覧会 2019年2月14日(木)~3月3日(日)9:00-17:00(入館は16:30まで) 休館 月曜日 観覧料 一般500円、学生400円、70歳以上・18歳以下・障害者料 山口県立美術館 山口市亀山町3-1http://www.yma-web.jp/ ※画像は2008年10月の県美展のものです。