Life goes on.

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ある年、県美展で知り合いの若者の作品が評価され、大賞候補として最終決選まで残る。バイタリティに溢れていて、若さが伝わってくる力作だった。当時、彼女はまだ大学院生。それまでも2度ほど入選していたため、決してまぐれではないだろう。しかしながら結果は激しい議論の末に次点に終わった。個人的には大賞の作品より優れていると思うけど、残念ながら審査員には今1つ受けなかったようだ。
ただし、これはこれで良かったとも思っている。それは20代で県民注目の美術展で大賞に輝くと、これから先の創作活動がやりづらくなるからだ。まだまだ発展途上の段階で、大きな評価は重たい荷物になりかねない。自分の可能性を広げるために、様々なことへ挑戦するべき時代に、「大賞」の看板は妬みや嫉みの要因になり、また、本人のプライドも高くしてしまう。いつまでも謙虚に学び続ける心を忘れて、思い上がった振る舞いに繋がることもある。もしかしたら百害有って一利なしかも。それくらい若い時は副産物がうまれやすい。つまり評価に負けない自分をつくっていくこと。自分が進みたい世界へ歩むのだから、一喜一憂をせずにいつも前向きな心でいよう。美術展の結果は長い旅の道標。美術家になりたい気持ちを持ち続け、どんな時も創作していきましょう!
■第72回山口県美術展覧会 2019年2月14日(木)~3月3日(日)9:00-17:00(入館は16:30まで) 休館 月曜日 観覧料 一般500円、学生400円、70歳以上・18歳以下・障害者料 山口県立美術館 山口市亀山町3-1http://www.yma-web.jp/