我以外皆我師

イメージ 1

先日、県美の「香月泰男のシベリアシリーズ」の展示会場で親しいベテランの方とバッタリ出会った。なんとこの展覧会のために、わざわざ遠方からお越しになったのだ。そこで挨拶もそこそこに香月ワールドについて尋ねてみることにした。「どこに魅力を感じられますか?」。
すると「子供の頃は満州国で生まれて育ったため、シベリヤシリーズで描かれたいくつかの風景は、なんとなく記憶の奥底に残っている。ただし、それは懐かしいと感じるものだけではない。どこまでも戦争への嫌悪感。だからつらい気持ちにさせられる。香月画伯の作品はそんな戦争に屈しなかった精神力が創られている。戦地へ行っても画家のままでいることは素晴らしい。誰にでもできることではない。その熱い魂が観る人の心を響かせていく。私は好きなことに一生を懸ける一途さが画伯の一番の魅力だと感じている」と、要約するとこのようなことを語られた。
ありがとうございます。自分では感じないことを教えていただき、また、当時の社会の動乱ぶりが手に取るようにわかりました。やはり生の言葉は頭の中のわだかまりを洗い流し、新しい考え方を構築していくための栄養になる。いつも一期一会を大切にしていたら、そのような機会になる人たちと巡りあえる。だからこそ我以外皆我師!謙虚な心で豊かに文化を学んでいこう!