アカデミック・インブリーディングという言葉がある。大学人事において自校出身者を優先的に教員として採用する慣行のことだ。同系繁殖や近親配合のようなことを続けていると、たちまち組織は劣性になっていく。それにより学術活動にとって不健全な影響をもたらし、学外から新しいアイデアを取り入れる機会を損なうと考えられている。
地域文化も同じようなことが言える。いつも顔ぶれが変わらない人たちとつるんでいると、その中で地位や年齢が上の人たちの顔色を伺って、忖度しては決まりきったことしかやらなくなる。仲良しこよしの人ばかりが集うと、異質なものを嫌って排除していくため、同じような価値観に固まってしまい、多様性に欠けて創造性を失っていく。
だからこそ、新しい血を入れていくことが大切になってくる。似たものは似たものに影響を及ぼすことはできない。そこにある常識に屈してはいけない。もうこれ以上のことがないなんて、そう無抵抗に思う集団なら壊した方がいい。その土地の文化をよく知らない人が来れば、目からうろこが落ちる発想で、夢にも思わなかった創造力を発揮していく。そういう新しい風が次々に入ってくる山口市は凄いとしか言えない。これも天国いる素晴らしい先人先輩のおかげだ。たくさんの恩恵にただただ感謝するのみである。