快刀乱麻

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美術の世界で生きていこうと思っているのなら、永遠に学び続けていく覚悟が必要になる。例えば身近で美術に取り組んでいる人と比べて、自分の方が優れているから大丈夫と判断し、そのままの価値観で制作する程度のレベル人が、果たして本当に上手くいける実力があるのだろうか?答えは意外と簡単だ。周囲の人の目というものはシビアではないけど、おかしいものはおかしいものだとわかってしまう。そんなに面白くないと思われるものは、それなりにしかならないレベルなのだ。もし、どうしても比較したいのなら、ゴッホピカソをはじめとする、歴史上の偉人たちと対象にしよう。ビックなスターたちの物差しと比較することで、目くそ鼻くそを競い合う小物の度量が馬鹿馬鹿しくなる。今やっていることを落ち着いて向き合うために、小さなことにくよくよしないで、自分は学びによって前進していると信じることで、不安な気持ちは拭い去ることができるのだ。

つまり学びは新たな創造力を形作るための刺激をもたらし、あれこれと学んで新しい美術などを吸収することによって、自分自身がインスパイアされて変わっていく。体内の細胞が常に入れ替っていくように、学ぶことで新しい血が入ってくることで、古代から備わっている生命力は活性化される。このことが身に付いているかどうかは誰でもすぐにわかるもの。美術家として語る言葉で度量は推察されるし、ある話題について語り合えばどれだけ学んでいるのかは明らかだ。その人がどれほど美術に真剣に向かい合っているのかは、何気ない会話の中に自然と現れてしまうから、ごまかしようがない現実なのである。人生は学び続けている人には、同じように前向きに生きる人から、声をかけてもらいやすいのでチャンスの確率は高まる。だからこそ学ぶことで成長していけることを信じ、どこまでも努力していく覚悟を持つことが大事だ。

■中野 寿子 イラスト展 2019年10月11日(金)~27日(日) 11:00-18:00