無知の知

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自分の作品について語ってみよう!それは作品へのコンセプト(骨格となる発想や観点)でも、ポエムのように情感を伝えるものでも、なんでもかんでもいいから言葉で表してみるのだ。すると語った作品の出来上がり具合いが、どんなものかわかってくる。自分としては上手くいって良かったけど、本当にその通りなのだろうか?知らず知らずのうちに自分勝手になってしまい、独りよがりになっていないだろうか?このように制作過程をチェックすることで、最初のイメージとの差を把握することで、これからの作品のための課題がわかってくる。次回作にやるべきことを見出し、そのつど軌道修正しながら、理想の世界観を目指していく。創作へのあり余るエネルギーを凝縮させて、到達点へ向かって噴射させていくのだ。

ただし、中途半端に気づいたくらいのことだったら、いっそ気づきない方がましだったりする。変に作品を勘ぐってしまえば、判断を誤って泥沼に陥ってしまう。せっかくの学びのチャンスをつぶして、空回りばかりして迷い込んでいく。つまり自分が知っていることと、知らないことの境界線をハッキリとさせていこう。今現在、どれくらい美術について知っているのかがわかれば、足らないことを学んだらいいから効率よく生きられる。すべてのことを知っている人なんていない。ソクラテスの「無知の知」ではないけれど、自分には知らないことがあると自覚し、 謙虚な姿勢で学び続けることが大切なのだ。いつまでも美術界を謙虚な目で楽しもう。日々、知らないこと、新しいことと出会い、ワクワクすることだ。未知なものに感覚的に心を動かすことを感動という。このビビット来るひらめきを味わい続けるため、自分の作品について語っていって、能力を確かめながら創作していきましょう!

■岸透子 水彩画展 2020年5月21日(木)~6月14日(日) 11:00-18:00  お休み 月・火・水