心眼

f:id:gallerynakano:20191126230927j:plain


美術鑑賞の醍醐味と言えば、その人が持っている知識をめぐらせて、頭の中に思い浮んでくる言葉を組合わせながら、自分らしい感想を作って楽しむこと。ただ単純に作品を観たまんまにあっさりと言うのではない。自分の知識によって発見できた感覚を言語化して、少しでも自分らしい言葉で語ろうとすることで、作品から様々なことを味わいながら吸収していける。だから周囲と違う見解になったとして恐れることはない。いつも答えはそれでいいのだ!気まぐれな思い付きで適当なことを言うのはよくないが、パッと浮かんだイメージを膨らませて、そこから自分なりに創意工夫していけば、自分にしかできない発見を語れるはずだ。

つまり自分らしく素直な心で見つめて、刺激された感覚を知識と掛け合わすことで、個性的な視点から語れる力が育まれていく。まずは自分が思っていることを自分の言葉で語ることを意識してみよう。そう世間一般の常識に捉われず、独自の観察力を信じて語っていくことが大切だ。直感力、想像力、観察力を使い、それらを知識で組合わせて表現していこう。あまり上手く表現できない時でも、その時にできるベストを尽くし、自分の中にあるものを絞り出す。どこまでも自分らしさを貫いて語ったらいい。そのうちにボギャブラリーは鍛えられて、自分らしい表現力が備わってくる。1つ1つの積み重ねてからオリジナリティが高くなり、だんだんと個性的な言葉で語れるようになるだろう。とにかく自分らしい感性で美術作品に触れていくこと。そして、自分の知識を使って味わい深く語ってみましょう!

■小さな祈り 佐々木範子展 2019年11月15日(金)~12月1日(日) 11:00-18:00 定休日 11月27日(水)