学ぶ

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昨日、やまぐち街なか大学の主催で開かれた講座「東京といくつかの地方アート・シーン 1993-2019」に参加。講師の末永史尚君は地元出身で第一線で活躍する美術家。実は私の周囲には花の2009年組と言うべき、この年に20代から30代の人材と多く出会い、そして、彼らの作品展示を行う機会が年々増えてきている。そう、ギャラリーは伸び盛りの若いエネルギーのおかげで活性化しているのだ。末永君はそんな若い世代との付き合うためのアイディアを授けてくれた。それは彼が独自の世界を切り拓く中で、気が付いた創作に必要なことを具体的に教示し、創作の未来を明るく照らしてくれたからだ。創作活動はローカルであってもやりやすい雰囲気をもたらす。どんな環境においても精神意識を高くすることで、既成概念を打ち破って新しい発想が生まれるのだ。美術への真剣な志は人の心を動かし、美術に本気になれる情熱を燃やしていこう。信念と熱意の大切さを学ぶことができる美術家だと思う。

.ちなみにこのレクチャーでは、彼が高校卒業してからの活動について、ざっくりと書かれたレジュメを使って進められた。ただし、これは個人の活動記録というより、この時代の美術について検証したものでもある。大きな流れと小さな流れをクロスさせながら、およそ四半世紀の美術について考えさせられた。昭和から平成へと美術界は移行し、国内中心から国際的な価値観に広がり、さらにネットなどで社会環境は変化し、今現在はこれまでにない時代だと認識する。おそらく彼が話したかったことは、三日三晩眠らずに語ったとしても、語り尽くせぬほのボリュームに違いない。加えて質疑応答を繰り返したら1年くらいはあっという間に過ぎてもおかしくない。とても素晴らしい学びの時間になった。それと同時に次に会った時は聞きたいことだらけで、それこそ最低でも三日三晩の時間が欲しい(笑)。大いに刺激された夜。いいや、東京が近くに感じた夜じゃなく、やはり人ひとりが持つ影響力の強さを知った夜なのだろう。