二十歳前後の若者なら「美術家になる夢に向かって、とことん頑張ってやるぞ！」とやる気を満々になっていけるもの。とにかく美術家になりたいことに純粋に燃えて、実現するために様々な創意工夫を繰り返せるだろう。しかし、どんなに希望に燃えていたとしても、その気持ちは20代後半になってくると、だんだんと魂は冷えていって停滞し始めてくる。普通の社会で働く友人知人たちに比べて、不確かなことが多くあるため不安になったり、この世界に馴染むに従って身の程の実力がわかってくるからだ。最初の勢いはどこにやら。いつの間にやら速度が落ちてダラダラし、ついには掛け声だけでグズグズしていく。当初の目標がぼんやりとして惰性に流されてしまうもの。「このままでいいのだろうか？」。誰でも人生で避けて通れない壁にぶち当たるのだ。
つまり20代最初に抱いた夢をそのまま同じようにやろうとしてはいけない。誤解ないように言えば夢の中身は同じものであってもいい。だけど、知識や体力、社会の在り方など、取り巻く状況は急速に変化している。いつまでも若さを武器にしてやることなかれ。アプローチの仕方は取り換えていくこと。古くなってきたら新しいものに変えていこう。ただし、どのタイミングでシフトチェンジのかがポイントだ。かじった程度で簡単に無理だと判断し、さじを投げるのでは何もできない。自分の夢について語り合える仲間とのやり取りに耳を傾ける。自分と異なる観点から見つめ直すことで、夢へ進んで行き方を整理することが大切だ。身近に本気で切磋琢磨できる仲間を求めるのだ。お互いに夢を語り合って成長できる同志と出会わなければ道は拓けない。いつも熱い魂を燃やし合って、ウィンウィンを目指して努力しよう！
■HEART2019の関連企画 県美界隈展 『花』、Y氏とともに 2020年2月13日（木）～3月1日（日） 11:00-18:00 火水定休
