時代を歩む速度

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かつて昭和と呼ばれていた頃、時間の速度は穏やかに流れていた。時代の過ぎ去っていく速度と、その中で生活する速度の調和がとれていて、何かを深く考えることができたり、じっくりと物事に取り組んでいけたのだ。どんなに早く進んでいこうとしても、まだまだ手探りで試行錯誤を繰り返すしかない。大胆不敵に道からはみ出して、上手くいくことは奇跡に近いこと。いわゆる常識という価値観にすっぽりと覆われて、安心して暮らせるような雰囲気に包まれていた。

それが平成になってから急速に生活リズムのピッチは上がっていく。新しいものの流行の周期は短くなり、すぐに陳腐化してしまうくらい、時間軸はスピーディーに加速した。次々に高性能な文明の利器が開発されて、瞬く間に便利で効率のいい社会になった。いつの間にか時代の方はどんどん進んで、人が人として活かされない文化圏が広がって、経済効率だけが優先するいびつな社会になってきた。生物学者ダーウィンが「唯一生き残ることが出来るのは変化できる者である」と言ったけど、このようなロボット化やコンピューター化を推し進められたら、どんどん人間の居場所はなくなることだろう。

だからこそ今一度足元をしっかりと見つめよう!私たちは人間以外のなにものでもない。だったら生身の人間らしく泥臭く生きていこう!機械のようにスマートで完璧になれないのだから、何でも失敗を反省しながら成長していけばいい。そして、機械と違って再生できる遺伝子があることに気づくのだ。太古の歴史を生き抜いてきた私たちが持つ生命力は意外と素晴らしいものなのだ。時代の流れの基準を機械ではなく、どこまでも人の気準備して、自分らしく生きていきましょう!