一長一短

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私の若い頃は1日がのんびりとしていた。何をするにも効率よくできないから、じっくりとものごとに取り組めばよかった。いわゆる年月が流れていく速度と、その中で生きる速度のバランスがよくて、何をするにもちょうどいい感じ。なにしろ、携帯電話は登場したばかりで、パソコンは高根の花で手が届かず、市内にコンビニの数が少なくなど、不便不自由であることが当たり前の時代では、あれこれとガツガツしたところで、意味を見い出すことができない低速の時代だった。
それに対して現代は生きるテンポが速くなった。新しさを求めて効率よく生きる時代。人々は兎にも角にもすぐに新しいものに目移りしていく。例え家の中にいてもネットさえあれば、世界中の新しい情報に触れて行動ができるし、SNSを通して新しい仲間と知り合うこともできる。面白そうであれば、とりあえずなんでもいい。一種のミーハーと言うべき人たちだ。しかし、このような新しいはほとんど一過性で終わりやすい。しばらくしたら関心があることから冷めてしまう。瞬間瞬間に熱しやすく冷めやす高速の時代になったのだ。
とはいうものの、どちらの時代にも一長一短である。それぞれを比較したところで矛盾しかない。いつまで経っても禅問答のようなもの。どんな時代でも世間の風に流れずに、ぶれないままやり続けていくこと。自分のやりたいことなら、こつこつと継続してやめないことが大切だ。つまり、継続は力なりであって、その過程で運を呼び込み、飛躍のチャンスに巡り合う。今自分がやっていることに誇りを持ち、誰かが喜んでいるはずだと信じて、創意工夫しながら努力すれば、天職だと思えるようになっていけるだろう。