自由と我がまま

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自由と我がままは似て非なるもの。自由は「俺がやらなきゃ誰がやる」くらいの強い使命感から生まれる。その世界での最高パフォーマンスを目指し、さまざまなことに創意工夫し続けて、磨かれた個性によって具現化することを言う。ただし、それは華やかで素晴らしいと言われないものでもいい。他者から見ると取るに足らないことでも、本気になってやれたのなら問題はない。一度や二度の失敗なんて挑戦する前の準備運動。カッコ悪いことを恐れては駄目だ。それをバネに何くそと頑張っているうちに向上していく。だから何ごとも失敗ではなく、成功への点検項目だと捉えられる、前向きな気持ちが大切になるのだ。

これに対して我がままは、その世界の本質がよくわからないまま、自分勝手に振る舞っていくこと。なんでも自分の都合のいいように解釈し、無邪気に無責任に適当にやってしまう。ルールやマナー、エチケットなどを無視して、何でもかんでもありにすると、無法な混乱状態になっていくだろう。そんな倫理観の欠如した人が目立ってくれば、悪い手本になって世の中の風紀を乱していく。地位のある人なら社会全体に悪影響を及ぼしかねない。我がままは万病のもとになるから気を付けよう。

ちなみに美術家は自由に生きることを第一にする職業。その瞬間に自分らしさを表現するために、今できることをすべて出し切って、手にしていくことができる。その瞬間に最善を尽くすためのアイディアを持ち、それを実行するための愚直なスタミナが支える。美術への終わりなき旅をやり切る責任感と、新しい発見を好奇心によって続けられる。いつも本物の自由のために努力を積み重ねて、可能性を高めて広げていこう。生きている限り作品は成長していける。自分の創作にプライド(責任感)を持つために、やるべきことをやって自由になりましょう!