果敢な挑戦

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伝統作品表現とは1つのことを変わらずやり続けるものではない。時代に応じて絶えず変化していくものではないか。ただし、あまりにも急ぎ足に変えてしまうと稚拙なものになる。また、次の展開が他の人になんとなく読まれるような変化でもよくない。誰にも気付かれぬようにそっとマイナーチェンジを試み、本質を失わないように微妙に変化させていくこと。これによって新鮮な空気は保たれて、いつ見ても伝統を重んじながらも、新しい感覚で古き良きものの気質が味わえる。そういうものが伝統と呼ばれるにふさわしいと思う。

これに対して現在進行形の作品表現とは、どうすればいいのだろうか?まずは基本的なことを学んだら、結果のことはさておいて、あれこれ果敢にやってみること。制作過程の中で今自分を知っていって、その個性を活かすために必要なことを取り組んでいくのだ。少しばかり成功ことにしがみ付かず、時代が変化することを機微に感じながら、独創性の高い表現になるように努力しよう。

つまり自分らしい作品の追究とは、実際に創作していくことでわかってくるもの。数々の試行錯誤と創意工夫によって、たくさんことが学べて豊かな表現力が得られる。とにかく結果を怖れてはいけない。やってみて失敗したら、また一からやり直せばいい。美術家は伝統作品であろうと現在進行形の作品であろうと同じこと。いつも新しさを求めて変化することで、多様な時代の中で光るものなるのだろう。