未来へ

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先月下旬、ギャラリーの営業を再開してから約2週間。正直、このタイミングでいいのか?と、戦々恐々の始まりだったが、お客様にもご協力していただき、なんとか通常に近い雰囲気で営業している。そんな中、このたびのことでオンラインを使った様々な取り組みがいくつも耳に入ってきた。

その1つは中也記念館の館長さんが、懇意にされている熊本在住の詩人に誘われて、都内の某大学でオンライン授業にゲストとして参加したお話し。熊本、山口、東京という場所を飛び越えて、中也の詩について語り合うなんて素敵なこと。若者には「これが普通ですよ」と言われるかもしれないが、やっぱりロマンチックなことだ感激してしまった。次に若いイラストレーターたちからは、リモートを使って仕事の依頼が舞い込んできたという。都心部は感染予防のために、外出することが難しくなっている。そこでリモートでの打ち合わせなら、全国どこにいても実力さえあれば問題ない。これまでの一括して都心でやるサイクルから地方にいる人たちにもチャンスが巡ってきたのだろう。

やはり時代はネットやスマホなどの通信機器を使いこなす時代。私のような通信機器弱者にとっては、身を守るために最低限の技能を身に付けないと、さらにこれから進歩する通信業界の孤児になりかねない。ほんとたった一ヶ月足らずの臨時休業期間に、これまで慣習として続けていたことの問題点が発見され、合理的に仕事を進めていく手段に舵が切られていったのだ。ただし、リモートだけでのやり取りではできないことがある。それは実際に会ってのやり取りがなかったら、その人の五感は刺激されることはない。お互いに切磋琢磨することで生まれる化学反応という、これまで以上に面白いものを創造していくことは厳しい。なぜなら人は人に会うことによって生まれる波動が才能を磨くからだ。この点を注意しながら、リアルとリモートの良さを活かして、もっと素晴らしい未来になることを期待する。