天からのメッセージ!

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明治5年(1872年)に全国で8番目に開校した山口市立白石小学校。私が小学2年生だった時に100周年を迎える。なんとなく華々しい式典があったことは覚えている。それよりも建てられた記念碑の言葉は、あれ以来遺伝子に組み込まれている。「草のようにたくましく 雲のようにおおらかに 輪となろう 光となろう」だ。私は歳を重ねていくたびに、こんな人間になりたいと真剣に思う。ハッキリ言ってハードルは高すぎる。草のようなたくましさには自信があるけど、雲のようなおおらかさは短気な私にとって、永遠の課題だと言うべきもので、残念ながら越すに越されぬ高い壁のことだ。

ちなみにこの石碑の裏には、当時の校長先生が「開校百周年にあたり、日本の幹となる人物の育成を誓って、この碑を建立す」と、さらに大きなミッションが一方的に指令されていた。前門の虎後門の狼ではないが、最低でもバリバリに第一線で活躍しなければいけない。高度経済成長時代にふさわしい熱き心が刻まれていた。私はこの言葉を読むたびに「ごめんなさい」と言うしかない。いやいや、私以外におそらく期待に叶った人がいるはず。そう、仮にこれまではいなくても、これから生まれてくるのだ。学校というものはいつもいつの時代も未来形。新芽を優しく見つめられる。一人の人間を創るための大きな道場になるのだ。

そんな石碑の言葉の作者は詩人 和田健先生。いつもあたたかく、いろんなことを教わった。今から振り返るともっと真面目にお話しを伺えば良かった。後悔先に立たずと言うように、大きなチャンスを逸したことを悔やむばかり。それでも中也と山頭火については基礎的なことを教わった。山口市という街は彼らを寛容に受け止めて、彼らに触発されて豊かな言葉の文化があると言われていた。今日の中也の誕生日。おそらく、中也と山頭火と一緒に酒を酌み交わしながら、天からエールをくださっているだろう。おかげさまで素敵な空気のまま変わりません。どうかこれからも山口を愛して、私たちを忘れないでいてください!