攻めろ

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先日、アラサーの美術家と出会った時のこと。「このところ30代へ入っても創作活動を続けていけるのかが不安なんです」と、胸の内を素直に語ってくれた。そこで私は「30代になって何をしたら良いのかがわからないという自覚があるから大丈夫。どうしたらいいのかを考えると不安にはなるけど、変にジタバタしても上手くいくことはない。未熟な面があることをストレートに認めて、しっかりと現実と向き合うことで不安は解消されていく。これから自分にできることを問うことで、積極的になれるものが出合えるかもしれない。例え他人からすればつまらないことでも、情熱を燃やしてやっていけば魂は磨かれる。30代というのは年齢的に若くないけど、美術の経験値はまだまだ足らないので、次から次に勉強していかなくてはならない世代だと思う。何かこれってひらめいたら、果敢に頑張ってください!」と、エールを送った。

ちなみに、私は美術家のスタート地点は30歳だと思っている。それまでは育った環境や学校、人間関係などによって、美術に必要なものを得られるのだが、ここからは自分自身で創造の世界を求めていかねばならない。独自性の高い創作へ取り組むが大事になってくる。つまり一度浮かんだイマジネーションは、そのまま信じて創り上げてみることだ。いわゆる世間の目や流行なんて気にしないで自由にやり切ったらいい。作品が出来上がるまで集中していく。そうすれば、自分のスタイルを発見するチャンスになって、良くも悪くも個性は磨かれていくだろう。そのような作品を発表などを通じて、自分の目指す方向を試していく。小さなものとして完成させないために、わざと大回りをしながら広い視野に立ったものにしていく。ことわざの「可愛い子には旅をさせよ」のように、30代は気力も体力も十分にあるから、様々なことに挑戦して成長させていこう!