これでいいのだ!

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岡本太郎氏の著書の中の一節。個性を活かして生きるための極意がわかりやすく書かれてあった。それは「熟すということは、技能や熟練とは関係がないというのがぼくの信念だ。芸術はもちろん、スポーツも歌も会話もすべて、下手なら、むしろ下手こそいいじゃないか。そう思って平気でやればいい。もっともっと下手にやろうと決心すれば、かえって人生が面白くなるかもしれない。むしろ、歌やスポーツや会話のうまいなんてヤツにかぎって世間の型や基準のもとに決められちゃって、それに馴らされている人間だ。だから、うまいヤツほど自分がどの辺の位置に入るのか、まず”基準”の方を先に考える。しかし、そんな基準なんて度外視して、下手なら下手なりに、自分は下手なんだ決意すれば、もっと自由な歌い方もできるし、スポーツにしても、ナリフリかまわず自由に動くことができるだろう」だ。

つまり、何かができないのはやろうとしないだけ。できない理由を見つけることはやめた方がいい。何ごともまずはやってやろうと決めて行動すること。実際にできるかできないかなんて考えずに、ひらめいたイメージをスムーズに取り組んで、とにかくやってみることで手ごたえが生まれてくる。あれこれ迷っている暇があったら、一歩でも半歩でも前に踏み出し、今の自分の力を具現化することが大切なのだ。

いわゆる一流と呼ばれて、評価の高いものをお手本にしても、その人らしい個性の破片もない、どこにでもあるような凡庸なものなるだろう。最初は不可能に思えるようなものでも、やっていくうちに勢いが生まれて、自分らしい表現で創り出せるようになる。上手くできずに下手くそなどということは大したことではない。いやむしろ自分の力量を知らずに自惚れてしまうよりいい。いつも弱気な気持ちを振り払って、現状の自分の力を肯定していくこと。何かにチャレンジしては、「これでいいのだ!」と前向きに捉えて、その時その時を楽しんでいくのだ。自分らしい個性が発揮できるはずだ!