もう1つのオリンピック

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本当だったら今頃は東京でオリンピックが行われていた。世界各国から名だたるアスリートが集結し、この日のために長年に渡り鍛えられた心技体で、最高のパフォーマンスを見せてくれていたはず。人々は戦っていく姿に胸を高鳴らせて、美しい人間ドラマに涙腺は刺激され、日本列島を歓喜と興奮の渦で巻き込んでいただろう。それが思わぬことで延期になってしまう。誰もが予想もしなかった事態が発生し、残念ながら開催することができなったのだ。

ただし、今回はこのことだけではない。今世界はとても不安定になっている。およそ平和の祭典にふさわしいムードはない。あちこちでギスギスとした雰囲気が漂い、オリンピックに集中できる環境とは言い難い。今一度、オリンピックの素晴らしさを思い出してみよう。それはみんなが同じ思いで競技を見つめ、ピンと張った空気を大きく吸い込んで、その瞬間にある感動を共感し合うことで、生きて良かったと素直に思えるためにある。これまでなかったことを味わって、前向きに生きていこうとする力を授からことだ。

そんな中で始まった、もう1つのオリンピック。会場はギラギラした夏の日にも負けない、若者の未知なるエネルギーで燦燦としていた。そう、そこには目では見えない炎なき炎が燃え続け、まるで聖火台が点火されているようだった。やっぱり若者が若者らしく思いっきり描いたものは、なによりも元気の良さが武器になって、これからの未来を明るく照らしてくれる。持ち前のチャレンジ精神が人の心を揺るがして、清々しい気持ちを満喫させてもらえるのだ。2年前、羽生結弦選手が金メダルになった時に「自分が幸せになった時にたくさんの方々が幸せになって、そしてその幸せが還元されてまた自分に戻ってきて。自分がこうやって笑うことによって、みんなが笑ってくれる。そんな平和な世界じゃないですけれども、そんなことはすごく感じました」という言葉のように、このまま多くの人たちをイラストで楽しませて、豊かな時間になることを期待している。ファイトりおた!