一隅を照らす

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昨夜、国営放送の大河ドラマを見ていると、近代オリンピックの父であるクーベルタンの名言が流れた。「オリンピックで最も重要なことは、勝つことではなく参加することである。同様に人生において最も重要なことは、勝つことではなく奮励努力することである。肝要なのは勝利者になったということではなく健気に戦ったということである」。
この言葉を聴いて、私は大きな勇気をもらった。それは地方のギャラリーとは世界の片隅にある小国なようなもの。そこから大国(大都市)と同じようなことはできない。しかし、今この場所から美術という世界へ挑戦する権利がある。自分たちができる最高のパフォーマンスを求めて、ありとあらゆることをすべてやり尽くしていく。他人の作品より優れている評価されるのが目的ではない。今日も自分は何ができるのかを試していくこと。つまり美術で最も重要なことは、どこまでも美術と向き合って、美術の素晴らしさをすることなのだ。私はビールを飲みながら見ていたせいか、そんな風に言っているように聴こえてきた。
まあ、それはさておき、なんだかんだ言ってもギャラリーをするのは、ただ情熱を燃やせるほど好きだからやっているだけ。そのことは他の人に理解されなくてもいい。もしかしたら自分一人が勝手に夢中になっているのかも。それならそれでいいじゃないか。他人との比較ではなく、自分自身が喜びのための邁進していく。この心境をわかりやすく形容すれば「一隅(いちぐう)を照らす」だ。自分に与えられた場所で精一杯努力して、その周囲を明るく輝かせていくこと。山口ローカルでギャラリーをしている私にとってはモットーのような言葉。決して大きなことはできないけれど、街の片隅であかあかと照らす人になりたい。そのためにできることはすべて取り組んでいく。志のある人たちに必要とされるように明日も頑張っていくしかない。それが私の人生なのだろう。