スポーツの世界で強いと言われている人でも、すべての勝負に勝ってきたわけではない。むしろ数えきれないほどの敗戦を味わっている。あと少しのところまで勝利を握っていたのに、最後の最後に手からポロっと滑ってしまい、あっという間に地獄へ落ちた出来事なんて日常茶飯事。現実の厳しさに何度も何度もへこまされて、自分の不甲斐なさに向き合わされていく。いわゆる心が折れるような屈辱をたくさん経験しているのだ。
だのに、それでも強いと言われるのはなぜなのか？それは膨大な負けた経験を無駄にしないように心掛けているから。負けたことにいちいち落ち込まず、反省から生まれたことを大切にする。どうやったらこの壁を乗り越えていけるのかに気持ちを切り替えていく。いつもそこから何かを学び取って、未来の戦いに役立てようとしている。そんな清々しい姿勢でいるから、大勝負の時には強くて好成績を残していけるのだ。つまり、タフな人とは負けても立ち上がって前へ進もうとする満身創痍の人のことを言うのだろう。
ところで、昨年度の女子ゴルフ4大メジャー大会で、恐れを知らない若者が最後まで強気に攻めて、なんと日本勢42年ぶりに優勝してしまった。しかし、今年の同じ大会では自然の地形を生かした難関なコースに悪戦苦闘して敢えなく予選落ち。残念無念結果だったが、彼女はすぐに前を向いていた。「次はショットに自信を持って挑めるようにしたい。しっかり成長して、（リベンジのためにこのコースへ）また帰ってきたい」と言い、さらに「これからも（全英優勝者として）名前は残っていくのでクヨクヨしていられません。もっと頑張って練習しないといけないと思いました。メジャー全制覇はブレずに追いかけたい。何年かかるかは分かりませんが、長い時間をかけてでも達成できればと思っています」というコメントで締めくくった。さすが期待の逸材！次のスマイル・シンデレラの挑戦がとても楽しみだ。
