知的な恋愛

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「私にとって仕事は『遊び』の一種であるとともに、知的な恋愛でもある。仕事には、遊びの面白さには充実感がある」というのはベネッセされた方の言葉。さすが百戦錬磨。なんとも素敵な表現力でウイットに富んでいる。とにもかくにも仕事は自分都合だけではできないもの。さまざまなしがらみに巻き込まれて、やるせない気持ちになることもあるはずだ。そうではなく、遊びのように楽しくなるようにやっていくこと。成果を上げるという辛い面ばかりを見つめてはいけない。仕事は自己実現のためのゲームだと捉えて、どこまでクリアできるのかを満喫するのだ。そして、恋愛のように仕事も微妙な駆け引きに心を配っていく。深く付き合うほど結びつきが強くなることを肌で感じよう。こうなれば、自然と仕事はやる気満々になって、手応えも感じて充実感も生まれてくる。少々のことでは動じない精神力が養われていくだろう。

ちなみに美術家もこの「遊び」と「知的な恋愛」を大切にする職業だ。作品が売れるとか売れないとかより、遊び心で観る人を包み込む感覚を磨くこと。それプラス、微妙な感覚の駆け引きというのか、自分らしい尖った個性を武器にする。言いかえれば、万人受けの作品なんてものは目指さない。自分にしかない世界観で観る人を刺激し、その人にとっての理解者との出会いを求めるのだ。なぜなら美術作品は美術家と鑑賞者との共同作業から創られている。だから「知的な恋愛」とは、この基本がイメージしやすい言葉だと思う。

■難波瑞穂展 これから私はあなたとともに 2020年9月18日(金)-27日(日) 11:00-18:00 (最終日 17:00まで) お休み 9月22日(火)、23日(水)