60点主義

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「60点主義。完璧を追っている間に時期を失する。時期を失すれば、たとえ100点案でも50点の結果になってしまう」という昭和を代表する実業家の名言がある。その意味することを例えるとしたら、クライアントへ提案する際の企画書に完璧さや、必要な項目の条件をすべて満たすために準備していると、そのうちに時期を逸して努力が報われなかったする。だから最初から合格ラインを60点に設定すれば、ポイントを押さえ集中して取り組めるため、タイムリーにプレゼンすることができるはずだ。やはりビジネスチャンスをものにするには、完璧な企画よりもスピード優先の最善な企画で勝負した方がいい。

美術家も意外と同じような考え方をした方がいいのかもしれない。はじめから完璧な作品なんてものを目指していたら、どこまで制作してもいってもキリはない。むしろプレッシャーに押しつぶされたり、未完を理由に作品発表もできなくなって、自分の殻に閉じこもってしまう。それよりも並みの上というのか、60点主義で創作活動をすることで、その時の長所や個性を発見する機会を増やしていく。あくまでも目線はやや高め。しかしながら身の丈にあった点数することで、リラックスした状態で創作に取り組めるのだ。パッと浮かんだインスピレーションを逃さず、それを具現化することで旬な作品が生まれてくる。つまり、完璧を目指してあれこれと迷うよりも、少し上を目指して継続することが大切なるのだろう。

■難波瑞穂展 これから私はあなたとともに 2020年9月18日(金)-27日(日) 11:00-18:00 (最終日 17:00まで) お休み 9月22日(火)、23日(水)