高山に登らざれば

f:id:gallerynakano:20201014212021j:plain


「高山に登らざれば、天の高きを知らざるなり」という格言がある。この言葉は、実際に高い山に登ってみなければ、天の高さを知ることはできないように、自分自身がそれ相当の実力に達しなければ、先人たちの偉大な功績を理解することはできない。だから何ごともやる気になって学んでみなければ、自分なりの判断基準となる尺度がないため、何が素晴らしいのかがわからないままだという意味である。

ちなみに美術の面白さも同じようなもの。書物やネットなどの美術情報を鵜呑みしているだけでは、本当のところ、それがどれほど良いのかがさっぱり見当がつかない。いろんなタイプの美術作品をいくつも鑑賞し、経験値が増えていくことによって、自分の観る目が鍛えられて面白さがわかってくる。最初はまったく見当がつかなくても、ピンとくるものを土台にしていったら、なんとなく感覚的に受けとめれるようになる。完璧にわかってやろうとせず、理解できる範囲を大切にしていくこと。そして、中途半端に感じたとしても、まずはそのレベルに達することで、作品への理解度は高まるだろう。

つまり、美術に触れる喜びを持って進んでいけば、どんな作品も感性を磨くための貴重な経験だ。自分らしい境地に達していけるように、好きなもの以外にも目を向けて、幅広い分野の作品を鑑賞して楽しもう!