化学反応

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「二つの人格の出会いは、二つの化学物質の接触のようなものだ。 もしなんらかの反応が起きれば、両方が変質するのだ」という名言がある。

美術というものは生涯にわたって追い求めていける深みのある世界。いくら真面目に学んだとしても、常に新しい表現も生まれてくるから、そこには際限なんてものはない。まずは自分の感覚に馴染むものを探していくこと。基本的になんであってもかまわない。いろんな作品をこつこうと観続ければ、その中にピンとくるものと出合えるもの。自分になりに本質を感じる作品がわかったら、美術への理解は深まって俄然面白くなってくる。これまでより世界観が広がって豊かになっていけるのだ。

その一番の極意は仲間との美術談義だ。生の声は感性に響いてくるので、頭の中にイメージが浮かびやすい。それぞれの好きなことを語り合えば、美術への関心が深まっていく。そして、異なった視点が交り合うことで、思わぬ化学反応が生まれてくる。自らの世界観を見直すきっかけになったり、新たな感覚がインスパイアされて未知の分野が目覚めたりする。つまり、美術は良き仲間と切磋琢磨することで、感動が大きくなっていけるだろう。