神様に見初められて

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この世には美術の神様に見初められたような人がいる。とにかくどんなことがあっても美術との縁は繋がったまま。いつもギリギリのところで、美術しかない道を選ばされて、そのたびに美術の才能が深まっていく。これは決して当の本人に強い意志があるわけではない。明日は明日の風が吹く。ただただ自然体で生きている。例え世間から評価されない時でも、美術がやれること自体に喜びを感じて、悲壮感を漂わせることなんてない。小さな失敗をごまかそうとはせずに、今はここまでしかできないのだから、これでいいのだと肯定的に捉えられる。これも美術の世界へ飛び込んだと時に、美術家になることは過酷で厳しく、という本質を肌で感じたからだろう。そういう胸の内で静かに魂の炎を燃せる人は、未来を明るく照らせるから遠くまで希望の灯が届く。少々のことで落ち込んでいたら身が持たないと覚悟することができたのだ。

つまり、美術家なるなんて途方もない夢は、地図に載っていない新しい経路を発見することだから、その行方の先を天に任せてみることが大切だ。あらゆることでチャレンジして、正しいと思えるルートを見つけてる意欲も持とう。ありとあらゆる知識や技術は試行錯誤の末に初めて発見できるものだ。そんな人生の旅を仲間たちとともにできれば、実に頼もしくて勇気が凛々と湧いてくる。そう、人間関係というのは実に不思議な力をくれる面白いもの。だから、どんな時もそれぞれの個性を受け止めて、コラボしていける寛容な心の持ち主に、神様は粋な計らいをしてくれることがあるのでしょう。