育むこと!

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いわゆる美術の才能というものは生まれつきではない。子供の頃、素晴らしいと言われなくても、その人が本気になって努力し続けていったら、自分らしい世界観で表現することができる。だから美術の才能というものはダイヤの原石と似ている。最初からピカピカと輝ていることはない。こつこつと丁寧に磨くことで美しい光を放ってくる。一つずつ何かで試していきながら、自分らしい持ち味になるように育んでいく。積極的に身に付くまで何度も繰り返し、いつでも自由に使える武器に仕上げるのだ。

つまり美術の才能は持って生まれたものより、後天的なものをひたむきに伸ばすことが大切だ。例え初めは基本的なことが上手くできなくて、ありきたりのセンスで平凡だと言われても、そんなことにめげずにやり続けていけばいい。あれこれと迷う気持ちを振り切って、これぞと我が道と果敢に取り組んでいけばいい。そして、少々上手くいったくらいで驕ってはいけない。これは偶然に良かったと考えて、謙虚な心で努力を積み重ねることだ。このようなサイクルが生まれたら毎日イキイキと楽しくなる。自らの才能を信じて創作していけるだろう。

このことを平たく言うのなら、自分ひとりでは先天的な才能しか開花することはない。人の才能は人との切磋琢磨によって磨かれるもの。良き師、良き仲間、良き本などに恵まれなければ成長することはできない。いろんな人たちと出会いによって化学反応を起こし、これまで眠っていた感覚のスイッチを入れていくのだ。そう、自らの力だけで新しいことを発見するのは簡単なことではない。ほんの小さな出会いを見逃さず、一期一会でもらった黄金の種を活かして、独創性のある花を咲かせていきましょう!