原点

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「自分に合った仕事に就いている時は、豊かな庭に色づいた花が咲くように、楽しみが仕事から生まれる」という名言がある。
子どもの頃、家の庭はお花の好きな母親がよく手入れしていて、どの季節も花々と遊ぶことが楽しかった。木の実を目当てくる鳥たちや、花のまわりで動き回る虫たち、そして、どこからともなく生える雑草まで、目に入ってくるものには興味津々になっていった。いつもジッと観察してはなんだろう?と、答えがわからないものと向き合いながら、その不思議な魅力に惹きこまれていく。きれいなものはきれいだし、小さな生命のまばゆさは素敵で、彼女の幼心は純粋に感動していたのだ。
これが佐々木さんの創作の原点だと思う。身の回りの小さな世界に目を向けて、その中で感じた世界観を素直に表現している。絵を観ていてあたたかく感じてしまうのは、さまざまな生きものへ賛歌が表現されているからだろう。