美術談義

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7年前、彼女と初めて出会ったのは学生たちのグループ展。私はいつも作品を前にして、学生さんと美術談義をしている。それぞれが感じていることを語り合い、さまざまな考え方が混ざり合うことで、美術の世界観は深まっていく。今やっていることを異なる視点から捉えることで、見落としていたことを知るチャンスになる。だから、自由に作品について意見交換すること、そこから学び合おうとすること、それらを意識してディスカッションすれば、俄然、美術への情熱は燃え盛っていくだろう。創作へかける熱い思いを語り合って磨き合うことが大切だ。

そんな信念のもと、彼女とも語り合う。ただし、さすがに初対面。許容範囲かを探るしかない。言葉を選びながら慎重にしないと、そっぽを向かれてしまう。そう思いながら話しかけてみると、彼女から予想外の言葉が飛び出す。「もっと不十分なところをハッキリと言ってください」。正直、驚いた。見た目と違って根性があるんだ。それならばとトップギアに。だけど、彼女の創作への思いに圧倒される。純粋な若者の心意気に感心した。そこから始まったお付き合い。彼女なりに真正面から美術と格闘する姿を見続ける。私は頑張れよと言い続ける。そして、このたび作品展。ようやく立てたスタートライン。仕事との両立は大変だけれど、猪突猛進のあなたならできるはず。これからも楽しみだ!