日進月歩

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種田山頭火の其中日記 (七)に「途中湯田温泉に浸る、飯蒸器を買ふ、温泉はよいかな、そして飯蒸器はありがたいかな(こんな器具でも手持のそれとの間にはいろ/\改良された個所がある、日進月歩といへば大袈裟だらうけれど、時々刻々進んでゆきつゝある時代を感じないではゐられない)」という文面がある。

いわゆる日進月歩。いつの時代でも世の中は待ってくれない。自分自身は変わらないつもりでも、1日生きれば1日歳を取るわけだし、今のようにグローバル化した社会の中で生きているのだから、いつの間にか変化する波に呑み込まれている。そんな中を生きることは、儚いと言われたら儚いし、夢があると言われたら夢がある。私たちは切なさと好奇心が交錯する複雑な感情を味わいながら生きているのだろう。

だからこそ、今という時の中でどう適応しながら生きるのかが大切になる。それは学校で習ったことだけでは不十分で、教科書に載っていなかったものを学ばなければならない。新しいものを想像させるものを創り出す力とか、人を喜ばせてやる気させることなんて、生きていく中で学びながら養っていくもの。つまり、コミュニケーション能力って、日進月歩していく現実の中で自分を活かすために必要なものなのだ。この能力は謙虚な気持ちで時代を見つめれば自然に身につくもの。自分はスゴイと奢らずに生きれば大丈夫だ。