鉄は熱いうちに打て

「人の行く裏に道あり花の山、いずれを行くも散らぬ間に行け」という格言がある。この言葉は花を本当に楽しみたいのなら、人の多く集まる道より少ない裏道の方が、ゆったりと見られて楽しめるはず。また、きれいに花が咲いているうちに行かねば意味がない。見ごろを逃さないように注意深くなくてはならないのだ。

つまり、人が気付いていない素晴らしいものを、機を逃さずに発見して自分のものにする。誰も行かなかったルートに、その人にしかないわからないものが必ずある。とはいうものの、無理矢理に何かを探し出そうとしてはいけない。身の回りにある何気ない出来事の中に原石が混じっている。素っ気なく思えるようなものでも、じっくりと見つめれば、光るものの存在に気付くことだろう。

とかく、美術の世界では「独創性とは、誰もやっていないもの」という観念に捉われやすい。そんな呪縛に捉われてしまうと、規格外のことばかりに目が奪われて、ただはみ出せないいと乱暴な発想に繋がる。これまで誰も通らない道だったら、独自性があると思い込んで行動しやすくなる。無責任に肩ひじを張ったまま生きていても何も良くならない。自分の良さを自分で磨いて成長しよう。世間一般の平凡な感覚に飲み込まれずに、どこまでも自分らしい世界観と向き合おう。やっぱり、鉄は熱いうちに打った方がいい。若者は我武者羅なやる気を羅針盤にして突き進めばいい。それらすべてが体験になって成長していけるから、新しい常識に挑戦する気持ちを持って、努力を積み重ねることが大切なことになるのだ。