オンリーワン

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本日は第74回山口県美術展覧会の審査会の初日。このたびはどのくらいの出展数があったのかはわからないけど、応募した方や鑑賞者などが「なるほど、これならいいかも」と思える結果になることを期待したい。とにかく、この世の中はあちらを立てればこちらが立たず。みんなにとって良い結果になることは難しい。出展した全員の作品が飾られる展覧会でないため、審査員の目に留まらず、思わず落選してしまうこともある。出展作品以外のことは問わない一発勝負。それだけにどんな結果になるのかはまったくわからないのだ。

 

しかしながら、県美展は出展する美術家にとって腕試しであることを忘れてはいけない。日頃から取り組んで制作している作品の成果を問うためにある。もちろん、すべてが正しく審査される訳ではない。あくまでも相対的な判断になるだけに、その結果に一喜一憂しないことが大切だ。また、どちらかと言えば、運不運で選ばれることの方が多い。実力者の作品がそのまま選ばれることもあれば、審査員の深読みであばたもえくぼになって、実力以上に評価されて賞に選ばれることもある。

 

美術家は審査員に受けなくても、やりたくてやりたい人がやる世界。万人に広く行きわたるようなエンターテインメントではなく、極端に言ったら、たったひとりの人に深く響かせるオンリーワンのものを目指すこと。自分の個性的なものを押しに押していくしかない。だから入賞入選できたら、それはあくまでもおまけ。終わりのない創作の旅の一里塚だと考えて、自分がやるべき世界をやりきる覚悟で挑戦するしかないのだろう。