慣れることに慣れない

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「慣れることに慣れてはいけない」という名言がある。その意味は習慣というものは善くなることもあり、悪くなることもあるから、とりわけ注意していなければならない。とにかく、同じようなことを習慣にしたとしても、精進になるのだったら良い結果に繋がり、ただ惰性に流れて繰り返すのなら、マンネリの結果しか生まれないもの。
いわゆる美術家になろうと夢や目標を持って始めた人は、美術への情熱を燃やして動き出す。しかし、スタートした時はワクワクしながら取り組んだことなのに、いつの間にか慣れてしまいダラダラしていく。ひとたび志を立ててやり始めたことでも、しばらく経って慣れてくると、初心を忘れて漫然となりやすい。世の中をあっと驚かしてやると生き込んでいた純粋さもどこにやら。ビギナーズラックに満足し、小さな成功にあぐらをかいて、 いつしか創作への喜びは冷めていく。
だからこそ、心のなかに新しさを感じられるように、喜びを求めながら取り組んでいく。素晴らしい創作をするために一番大切なのは美術を好きになること。いつだって大好きなことをするのなら楽しいはず。その瞬間にときめくものに夢中になってやっていけばいい。特別な才能なんて必要ではない。ただただ同じような日々のなかに好奇心を掻き立てていく。そうずれば、新しい発見や楽しみが見えてきて、ワクワクしながら創作できるだろう。どこまでも好奇心を失わずに創造性を育んでいくのだ。