無条件の若さ

f:id:gallerynakano:20220212225759j:plain


「この銀メダルという結果は、自分がオリンピックを夢として、頑張ってきた数年間の詰まった、すべてが詰まった銀メダルだと思うので、今まで苦しかったこともありましたけど、それも乗り越えての今回の演技、今回の結果になったと思うので、とても自分の成長を感じています。団体とかショートと違って、今回のフリーで、もう試合が終わってしまうのだというふうに考えると、やっぱり緊張しちゃって、初めて緊張したのですね。あの~ここに来てから、やっぱりすごくいい結果を残したいというのもありますし、自分の目標を達成したいというのもあるので、まあ緊張があったんですけど、悔いがないように全力でやろうと思っていたので、それができてよかったなと今は思っています」というのは、北京五輪フィギュアスケート男子フリーで栄えある銀メダルになった18歳の鍵山優真選手の言葉である。
やっぱり天然の若さのピークは18歳だ。なぜなら、真正面から体当たりすればなんとかなるという身勝手な思い込みと、未熟だからこそ許される根性を武器にできる特権があるから。漠然とした自信と自惚れを交差させながら、どこまでも自己中心的な未来予想図を信じていられる。それゆえにちょっとしたことが切っ掛けになって、短期間にあり得ないくらい成長していく。ギリギリの緊張感や目いっぱいの勇気をエネルギーにするのだ。
このことはいつの時代も同じこと。要領とか駆け引きとかに気を取られて、粗削りな若さを無駄にしてはいけない。ただ可能性を信じてチャレンジすればいい。何があっても自然に伸びるゴールデンタイム。純粋に潜在能力と潜在意識を奮い立たすために熱い言葉で刺激する。そして、これから先も同じように途方もないエネルギーを楽しむ。どんな時も果てしない希望を燃やせば新しい才能と出会えるだろう。4年後、今よりも大きく、今よりも強く、今よりも華麗な動きであって欲しい。次のひのき舞台では真ん中の台の上に立って、金メダルを首にかけることを期待している。