我思うゆえに我あり

「判断力、経験、創意、気概などが、人生における成功の条件であって、教科書の中で、それらを学ぶのではない。教科書とは、辞書のようなものであって、参考の資料とすれば役に立つが、その冗長な断片的知識を頭に詰め込むのは、全く無用のことである」という名言がある。
これは、充実した人生を送るには決まりきったことを学ぶだけでよくない。自分自身ので頭で考え、自分らしい意見を持ち、物事を批判的に見ることの出来る目を育てていこう。そして、周囲と異なったとしても尊重して、自分らしい意見を自由に言える社会をつくりたい。そこからその人らしい会話や対話が始まり、多様性のあるよりよく社会にすることができるという意味だと思う。
ちなみに美術家も同じことだろう。極めていくために近道はなし。いわゆる学校などで、いろいろと学びさえすれば、なれるわけではない。一つの答えというものに直線的に向かわずに、あえて遠回りして見聞を広めてみよう。創作に必要な手段を知るだけでは不十分。これまでなら通用しないと発想にも目を向ける。個性的なものになれる可能性を大切にすること。いくつも複雑なことを体験していきながら、重層的な考え方になることを目指すのだ。つまり、自分が関心のない分野にも目を配りながら、自分らしい考え方になるように努力していく。世間一般の評価基準に合わせるのではない。自分らしい価値基準を見つけ出し、独自性の高い世界観を創り出して、自分の物差しを持って活動すればいい。