勇気

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「今の日本の若い人に一番足りないのは勇気だ。『そういうことを言ったら損する』ってことばかり考えている」という白洲次郎の名言がある。

たしかに若い時はついつい遠慮しながら発言することがある。「こうすればいい」と思うことでも、まだまだ経験値が足らないから、「損なことになるかも・・・」という不安から黙ってしまう。しかし、自分自身がやりたいことであったら、目先のつまらない損得勘定などを考えずに、ひらめく直感を信じて堂々と言ったらいい。世間はよっぽどピントが外れていない限り、若気の至りで水に流してくれるもの。世渡り上手に生きようとして沈黙する人より、自分が信じることを言った方が清々しい。その思いっきりの良さは熱意になって伝わり、あたたかく応援してくれる人を引き寄せるだろう。

ちなみ美術家というものは、美術家になれるまで、美術家だと言い続けて活動できる人のこと。そんなには簡単になれるものではない。だから少しできるようになったとしても、いい気になって自惚れてしまってはいけない。安っぽいプライドの持ち主では、人間関係をギスギスさせて風通しが悪くなる。美術とは極まりのない世界。あらゆることから学ぶ貪欲さが必要だ。時代の中で人と交わりながら変化して、新しい世界観を創造していくのだ。本物だと言われる日まで勇気を出し続け、未熟さで恥をかくことを恐れず、前へ向かって踏み出していこう!