謙虚さ

岡本太郎の著書に「謙虚というものは、人の前で、己を無にするとか低く見せることでは絶対にない。むしろ自分の責任において、己を主張することだ。つまり、謙虚は権力とか他人に対してではなくて、自分自身に対してこそ、そうあらねばならないんだね」という言葉がある。
いわゆる才能を向上させるには、謙虚な気持ちで美術に関わることが大切だ。偉人先人の作品に敬愛の念を抱き、先輩後輩仲間たちの作品に礼儀正しく、子供たちの作品にやさしく振舞おう。過信、慢心、卑屈、卑下など、負の感情に捉われてはいけない。どんな時も足元から一歩ずつ進むうちに勇気が湧いてくる。自分らしいこだわりが育まれていって、特色のある個性的なものが創り出されてくる。創意工夫と試行錯誤を繰り返し、少しずつ成長していけるはずだ。
先週まで個展をしていたミヤジスズカさん。この1年間、一所懸命に作品制作と向かい合い、今できることを追究していった。イラストレーターになりたいと願い、こうありたいイメージを膨らませて、それなりに成果が出るくらい頑張った。しかし、ご本人は至って冷静のまま。まだまだ足らないことをよく自覚している。だからこそ、とても感じがいい。やっぱり、人生は目標がしっかりとあると自然に頭が低くなる。このまま学び続けて、夢の実現に努力していこう。千里の道も一歩からである。