初心忘るべからず

f:id:gallerynakano:20200912195017j:plain


能で大成した世阿弥の言葉に「是非の初心忘るべからず。時事の初心忘るべからず。老後の初心忘るべからず」がある。私はつい最近まで「初心忘るべからず」という部分しか知らなかった。いわゆる、ものごとに慣れてくると慢心してしまいやすいので、学び始めた頃の謙虚な気持ちを失わないために使われると思っていた。しかし、世阿弥が言う初心とは最初の志に限られたわけではない。人はやりたいことが少し上手くなったら、その道を極めたと自惚れてしまいやすい。いつの間にかこれで大丈夫だと勝手に思い込み、判断基準を甘やかして堕落しやすいのだ。

つまり、このような自画自賛にしないするには、まだまだ自分の未熟な面を知るために、諸先輩や仲間たとに教えを求めることが大切になる。特に年齢を重ねるごとに感性は変化するからし続けていくもの。これまでは良かったとされたことでも、いつの間にやら型にはまって古さが目立つようになる。いつも柔軟な心で自分を見つめなければ、新しいものは生まれてこないだろう。だからこそ、いくつになっても自分を磨いていかなければならない。見込み発進で「これでいいのだ!」と満足してしまったら頭打ちになるだけだ。いつも謙虚な姿勢を貫こうじゃないか!どこまでも初心を持ち続けること。それがその人の魅力になっていく。いつも新しいものへ意欲的に挑戦し、どこまでも自分を伸ばしていきましょう!

■難波瑞穂展 これから私はあなたとともに 2020年9月18日(金)-27日(日) 11:00-18:00 (最終日 17:00) お休み 9月22日(火)、23日(水)