不易流行

「不易を知らざれば基立ちがたく、流行を知らざれば風新たならず」とは、俳人 松尾芭蕉が旅するうちに体得した概念。いわゆる不易は、いくら世の中が変わっても変わらないもの。変えてはいけないもの。そして、流行は世の中の変化とともに変わっていくもの。
昨今、科学技術の発展は目覚ましくて、様々な価値観が多様化していき、あっという間に新しいソフトやサービスが生まれてくる。そんな動きの激しい時代をどうやって生き抜けばいいのか。その指針となる考え方は不易流行。まずはいつまでも変わらない本質的なものを踏まえること。この基本を知った上で時代に合った新しい試みをしていく。
つまり、時代によって発生してくる新しいものを柔軟に受け入れ、いつまでも変化しない本質的なものと掛け合わせていく。古い習慣や考え方に固執していけない。新しく善いものを目指し、変化を積み重ねることが大切なのだ。
 美術も同じく不易流行の世界。いつの時代も、もっとよくなるには、どう表現すればいいのかにこだわる。これまでにない感覚で刺激していくために、変わらぬものと変化するものと向き合う。新しい風を吹かしていくつもりで、創意工夫と試行錯誤を繰り返し、この瞬間に最善を尽くすのだ。