色即是空、空即是色

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般若心経の一節にある「色即是空、空即是色」。色は刻々と変化していくもの。そこに存在があるように見えて、次ぎの瞬間には変わってしまう。そのような存在であるからこそ、空だと考えるようになったのだろう。その空も様々な縁があるから存在が見えてくる。いろいろなものと関わり合うことで具現化し、しかし、それは不変的なものではないため、すぐに違うものになっていくのだ。

つまりこの世に存在するものは、時が流れていく中で、必ず変化していくもの。どんなに丈夫そうに見えても、それは頑丈そうに見えているだけ。いろいろなものが組み合わさって、まるで強いものだと信じてしまい、いつまでも変わらないと思い込みやすい。だから私たちが知覚するあらゆることは、いつまで執着をせず、あるがままを受け入れていく。日々、こだわらず、とらわれず、変わり続けながら今を生きることが大切なのでしょう。

ちなみに美術でこのことを例えるのなら、画家の描いた絵は目に見えるけど、画家の持つ魂は目に見えないもの。すなわち表面的に見えることはわかっても、その背後にある画家の主張や熱量などは、目で見えるものだけでは伝わらない。そんな目に見えないものを意識して創作すること。頭の隅々まで無色透明なもののイメージを膨らませていく。平凡な日常を彩るために、常識や知識の枠に捉われず、果敢に本質からはみ出していこう!