子どもの絵

「子どものように描くには一生涯かかった」というのはピカソの言葉である。

いわゆる子どもの絵が持つ魅力と言ったら、瑞々しい感性でエネルギッシュに描くこと。突拍子もないアイディアで見る人たちを和ましてくれるからだ。その天真爛漫で恐れを知らぬ大胆さは、センスやテクニックなんて尺度を飛び越える。キラキラやピカピカという天然の生命力だけで魅了する。美しく洗練されたものにはないものを武器にしてダイナミックに表現していく。世の中を知らないからこそ生まれてくる自由奔放さは、世間づれした大人にはできない斬新な発想がある。

だから、ユニークな作品を描くために子供の絵に学んでいく。常識とされていることに、捉われ過ぎてはいけない。ものごとを四角四面に見つめないで、視野を広げて見落としていたものを発見しよう。既成の枠からはみ出した不思議なものに、新しい表現の可能性を探ってみればいい。直感でひらめくものを羅針盤にして、新鮮な刺激を楽しみながら創作すること。ピンときたイメージに夢中になって、まっさら気持ちで思いっきり描くことが大切なのだろう。