鏡観る

孔子の言葉にある「吾道一以貫之(われどういつをもってこれをつらぬく)」。他の人に惑わされず、一貫した態度でひとつの道を歩むこと。目の前の一つ一つのことに誠心誠意向き合い、ひとつの信じる道をひたすらに力の限り生きていく。何があっても「これでいいのだ!」と肯定的に信じることで、迷いのない人生を送ることができるということを意味する。

人は誰も若くてやる気のある人と出会えば、良かれと思ってアドバイスをしたくなる。なんとか上手くいって欲しいと願って、その人が知りうることを教えようとする。しかし、そのすべてが有益な情報とは限らない。むしろ、勝手な正義を押し付けてくることもある。要するにありがた迷惑。ボタンの掛け違い。それゆえ、良い出会いを求めて生きるしかないのだが、実際に誰が善きアドバイザーなのかが、よくわからないから苦労するのだろう。

 つまり、自分らしく生きたかったら、他人の言動をヒントにしてみよう。なにごともかけがえのない声だと思えば、周囲の人たちは貴重な存在になる。自分の見えないものを映し出す鏡として、他者の言葉を大いに活用して成長を促す。どんな個性を持っているのか、いろいろな人たちと関わりながら、知るためのチャンスにしていこう。