子どもと大人

まどみちおさんの詩に「小さい子を喜ばそうとして、お子さまランチの旗を使うようなことをすれば、子どもにこびることになります。子どもだって人間。同じ『人間』の部分で仕事をすれば、相手の心に響かないはずはありません。子どもが一生懸命考えて『ああ、これだ!』と分かるような難解さがあることが、本当に『やさしい』ことだと思うのです」という言葉がある。
いわゆる子どもは身のまわりのものに触れた時に、「なんで?」という疑問を持ったり、そこから好奇心を掻き立てて、自分なりに理解しようとする。例えば、子どもが野の花を見て「なんてきれい」と感じ、「どうしてこんなに好いのだろう」と問いを立てて、自分なりに考えたことを伝えようとする。もちろん、明快な言語で表現することはできないけど、大人にも負けない豊かな感知力で、たくさんのことを発見して楽しんでいる。
つまり、子どもの能力を侮ってはいけない。なんだかんだ言っても同じ人間なのだ。子どもより大人の方が優れていることがあるし、大人より子どもの方が優れていることもある。だから、ひとつのことを一緒に考え、ともに行動して興味を広げ、意見を交換し合っていくこと。何気ない会話でも想像力を刺激するものがある。フラットなコミュニケーションを心掛けて、お互いの学びの機会にしていくことが大切になるのだろう。