抽象的

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「小さい子を喜ばそうとして、お子さまランチの旗を使うようなことをすれば、子どもにこびることになります。子どもだって人間。同じ『人間』の部分で仕事をすれば、相手の心に響かないはずはありません。子どもが一生懸命考えて『ああ、これだ!』と分かるような難解さがあることが、本当に『やさしい』ことだと思うのです」という、まどみちおさんの言葉がある。

小さな子どもは身の回りにあるものを絵にしようとする。どんなものでも面白がって絵にしようとする。そこに意味があろうともなかろうとも、一瞬のひらめきをそのまま絵で描く。ただただ感じてしまったままを、自由自在に絵で表現していくのだ。

しかし、成長するに従い言葉という便利なツールに依存していく。いわゆる知識や常識が身についてくれば、絵でのコミニュケーションは減っていく。これも社会で生きるためには避けられないこと。様々なことを円滑していくには必要なことだ。だから、たまには抽象的な作品に触れてみよう。よくわからないからこそ、頭のトレーニングになるはずだ。まだまだこの世には不思議なものが溢れている。言葉にできない世界を楽しんでいくために、作品鑑賞をして感性を磨いていこう。