道草

いわゆる創作とは、どっかりと腰を据えて、余計なことをいくつもやりながら、道草をするように進めていった方が、新しいひらめきが生まれやすくなる。言い換えれば、あれこれ余計なことをしないで、脇目も振らず集中してしまうと、すでにあるものを少し変えることしかできない。
つまり、人生に無駄なんてひとつもない。個性的な創作をするにはいろんな経験した方がいい。その時は自分にとって関係のないことでも、後からその経験が創造力に活かせる時がきっとくる。何ごとも余裕を持つことで発想は伸びやかになり、独自の視点で見つめることができるようになる。
そんな美術の王道を堂々と歩む人がいる。ほっといても何かに興味を持ってのめり込む。遊び心と好奇心を大いに発揮して、遠回りすることを楽しんでいる。創作は自由でマイペースの時にもっともパフォーマンスを発揮する。好きこそものの上手なれ!手っ取り早く作品化できることは、誰もがわかりきったもので、インパクトや斬新さには乏しい。彼は美術の極意を教えるために西洋から山口市にやって来たのだろう。これからもゆとりの伝道師として活躍することを祈っている。