急がばまわれ

空へ向かって勢いよく育った木は、上の方ばかりへすくすくと伸びるため、肝心の幹が細くて弱々しくなりやすい。それ故、もし強風が吹くことがあったら、その圧に耐えきれず折れてしまう。これとは違い、曲がりくねりながら育った木は、なかなか上へ伸びずに高くはならない。けれど、根と幹が十分に強く太く育つことで、大きな木になるまで成長していける。まだまだ年数が少ないうちは目立たないけど、大地と密着しながら丈夫に育つため、年月をかけて立派な木として頭角を現すはずだ。

だからこそ、可愛い子には旅をさせてみよう!効率のよく近道を教えてあげるより、自分自身でこれでいいのだろうか、と疑ったり考えたり経験していくことで、自分とはまったく関係のないようなことでも、やはてこの経験が役立つ時がやってくる。独自性の高いものを想像するには、あえて遠回りをさせて、全体をよく眺めることが大切になる。つまり、知識に縛られないことで、これまでにない発想が生まれてくる。すべての体験が積み重なっていくから、人生に無駄なんてものはないだろう。