知らぬが仏

いわゆる怖いもの知らず人は、無理目なことでも怯まない。客観的に見ることができないことを逆手に取り、そのうちできるはずと楽観的な発想で挑戦していく。身の丈をよく知らないことは、最高の武器になるのかもしれない。少しくらい思い上がっていた方が、実現可能なことだと純粋に信じるから、無心になって取り組めるだろう。

だから、無我夢中から生まれてくるエネルギーを馬鹿にしないこと。愚直さから生まれてくたエネルギーは、人生を切り拓いていくために大いに役立つ。打算のないパッションは、ハッキリと見えない未来を明るく照らし、一番行きたい場所へ進んでいく源泉になる。自己を疑わない究極のプラス思考は、リラックスしたまま取り組めるのだ。

このたびの中野寿子さんの個展会期中に、いろんな昔話に花を咲かせて、その創作の原点を探り出そうとしたけど、結局のところ、美術の世界をよく知らずに飛び込んだことが良かったという結論に至った。つまり、本質をよく知らないから、やる気さえあれば、なんとかできると努力するから、必要なものを身に付けられるのだ。これもいつも応援してくれる家族の存在が大きい。何かを肯定的なことを見つけて励ましてくれる。